Recent progress and future R&D for high-chromium iron-base and chromium-base alloys

菱沼 章道; 高木 清一*; 安彦 兼次*

Physica Status Solidi (A), 189(1), p.69 - 78, 2002/01

https://doi.org/10.1002/1521-396X(200201)189:1<69::AID-PSSA69>3.0.CO;2-9

高クロム鉄基合金またはクロム基合金は、現在の代表的工業材料であるオーステナイト鋼やフェライト鋼に比べて優れた高温強度と耐食性を有し次世代の有力な先進材料の一つである。しかしながら、これらの材料は一般的に脆いという大きな欠点があり、その本質的な開発研究はこれまでほとんど行われてこなかった。しかし、最近この脆性が高純度化によって克服される可能性が示され、これらの合金の開発研究が本格的に開始されようとしている。また、原子力材料への応用でも、優れた低放射化性や熱伝導度などから注目されつつある。本レビュー報告書では、クロム基合金を中心に、その魅力ある特性を従来材と比較して概括する。同時に、耐熱合金、耐食材料、原子力材料への適用の可能性及び高純度化によるその脆性の克服に関する現状と今後の展望を概説する。